
平成流し組合_Heisei Nagashi Group
流しの仕事ガイド
仕事内容・収入・始め方
生演奏を仕事にしたい。人前で歌ったり、楽器を弾いたりする機会を増やしたい。流しは、そんな音楽家が街のお客様と直接出会い、演奏の対価をいただく働き方です。
このページでは、流しの仕事内容、収入の仕組み、必要な技術、活動の流れをご紹介します。平成流し組合でのサポートや、応募までの道筋もご案内します。
1. 流しの仕事内容
飲食店での流しは、演奏が認められたお店を回り、お客様からのリクエストに応えて歌や伴奏を届ける仕事です。お客様が歌うための伴奏をすることもあります。
大切なのは、演奏力と、その場に合う接客です。食事や会話の様子を見て声をかけ、希望を聞き、曲を選び、音量を調整します。演奏を希望しないお客様の時間にも配慮し、お店の営業を支えながら活動します。
飲食店を回る活動のほか、企業の催しや施設、個人のお祝いなどで演奏する機会もあります。
2. 流しの収入は、どう生まれる?
飲食店での活動では、お客様に演奏を届け、その対価として料金やチップをいただきます。料金の決め方は現場によって異なり、決まった金額を案内する場合もあります。出張演奏では、依頼内容に応じた出演料で仕事をする場合もあります。
収入は活動場所、お客様の入り、演奏の機会などによって変わります。売上から交通費などの経費を考える必要があり、コンビで活動する場合は売上の分配もあります。一日の売上と、自分の手元に残る金額を分けて把握することが大切です。
平成流し組合の研修内容や費用については、応募・審査のページでご確認ください。
3. 必要なのは、演奏力と接客力
歌や楽器の技術は仕事の土台です。流しでは、自分の得意曲に加え、お客様が親しんでいる曲を演奏できることが強みになります。世代や好みの違う方々に応えられるよう、活動しながらレパートリーを増やしていきます。
同じくらい大切なのが、挨拶、会話、料金の説明、演奏を終えるタイミングなどの接客です。お客様が歌う場面では、歌いやすいキーやテンポで支える力も役立ちます。
求められる演奏水準や、ご自身の得意分野を生かした参加方法は、応募資料や面談、実技審査を通じて確認します。
4. 飲食店で活動する一日の流れ
出発前に、活動する店舗や共演者、必要な楽器・曲目を確認します。現場に着いたらお店に挨拶し、その日の状況や演奏できる場所を確認してから活動を始めます。
営業中は、お客様の様子を見ながら声をかけ、リクエストに応えて演奏します。演奏後はお礼と会計を済ませ、次の機会へつなげます。無理に全てのテーブルを回る必要はありません。
終了時にはお店に挨拶し、売上や分配を確認します。営業時間やお店のルールを守り、スタッフや他の演奏者と気持ちよく仕事ができることも、流しの技術の一つです。
5. 弾き語りだけでなく、歌や伴奏でも参加できる
一人で歌とギターを担当する弾き語りのほか、歌い手と伴奏者がコンビを組む活動もあります。歌のみ、ギターのみ、その他の楽器による参加についてもご相談いただけます。
他の仕事や音楽活動と兼業しているメンバーもいます。活動の希望はシフト編成時に確認し、店舗や共演者との調整を行います。ご自身の生活と音楽活動に合う続け方を考えていきましょう。
6. 平成流し組合が支えること
平成流し組合では、演奏できる店舗情報の共有、シフトの調整、活動に役立つアドバイス、出張演奏の依頼への対応などを行っています。
流しの現場では、店舗への挨拶、お客様との距離、音量、他の演奏者への配慮など、音楽以外にも覚えることがあります。研修では、現役メンバーと実際の現場に出て、仕事の進め方を学びます。
流しは、演奏するたびにお客様の反応を受け取り、曲や接客を磨ける仕事です。組合の活動基盤を活用しながら、ご自身の音楽家としての力を育てていってください。
7. 流しを始めたい方へ
まずは現場を見て、流しの演奏やお客様とのやり取りに触れてみてください。実際の活動を知ると、ご自身の得意なことや、これから身につけたいことが具体的になります。
平成流し組合への参加は、事前審査、WEB面談、対面実技、代表ミーティング、研修という流れで進みます。演奏動画やフォームの提出方法、研修回数・費用などは、応募・審査のページにまとめています。
流しとして活動したい方は、応募方法をご確認ください。経験や演奏スタイルについてのご相談は、お問い合わせからどうぞ。
「報酬を受け取りながら、多くのことを学ぶ」
平成流し創始者 小林治郎氏(作曲家)
2008年の春頃だったでしょうか、ある会社経営者の知人から、亀戸横丁での「流し」の企画の依頼を受けた僕は、すぐさまコーヒーカラーの仲山卯月氏(=パリなかやま)へ協力を持ち掛けました。彼の音楽に対する誠意と企画力によって「平成流し」の礎を築くことが出来ました。
当時は僕の拙いギター伴奏で「男性ボーカルDay」と「女性ボーカルDay」を交互に稼動させていました。 そもそも僕は作曲家であるが故、このような流しパフォーマンスには向いておらず、1年少々で早々と退散しましたが、60年代から80年代にかけての、ニューミュージック、フォーク、演歌、アイドルポップスと一通り演奏したことは、大変勉強になりました。いや、勉強などという言葉では計り知れない発見というか感動というか、先達の偉業に改めて敬意を持つことになりました。
流し稼動以前の僕の作曲は、ありとあらゆる作曲技術や和声理論やジャズからブラジル音楽に至るまでの音楽的エッセンスを、16小節や32小節の1コーラス分の塊の中に凝縮したかのような、まるで限界に挑むが如く創り上げた作品が主でした。それはそれで確かに創造的であり個性的でもあるのですが、やはり難解で万人受けするかと言えば厳しい側面もあるのも事実です。
それに対して近年の僕の作品は、センスや知識や理論の贅肉を削ぎ落し、わかり易いながらも1フレーズ聴いただけで僕の曲だとわかる作曲も出来るようになりつつあります。今思うと、これには流し経験も大きな影響を及ぼしているとしか言い様がありません。報酬を受け取りながら、多くのことを学ぶことが出来たなんて、とても幸せなことだと思います。
一方、仲山君の方は流しに向いていたのか、自らが長年に渡って稼動するだけでなく、次々にエリアを拡大し新規参入者に道を与えていて、そのバイタリティには本当に頭が下がります。
現在の流しメンバーには、僕の音楽を聴いてくれていた人達も結構いて、その中には僕の作品を90年代のフェイバリットソングと挙げてくれる人までいます。そんな人達の生活を僕も(間接的にですが)支えることが出来ていると思うと、何とも嬉しい気持ちになります。
流しは膨大なレパートリーの全てをある程度以上の水準で表現することを要求され、また対人商売であるが故のストレスなりトラブルなりに対応出来る精神力も必要なため、決して簡単な仕事ではありませんが、修業には素晴らしい場であります。なので少しでも興味のある方おりましたら、老若男女問わすパリなかやま氏へ連絡してみることをおすすめします。
現在の音楽シーンでは、全てがそこそこ、つまり適度に歌えて、適度にルックス良くて、適度に作詞作曲出来て、適度にビジネス能力を持ってはいるけれど、突出した才能に欠けるミュージシャンが多く見受けられます。 そんな状況を突き破るような(そのために必要なのは実は基礎力だったりする)、新時代のボーカリストなりアーティストなりが、若い流しメンバーから登場してくれる日を待ち望んでいます。
そんな訳で、「このコ、お前の曲に合ってそうなんだけど!」って感じなボーカリストを発見した際には、是非僕の所までご一報お願いします。って最後は結局テメエの宣伝かよっ!的な締めくくり方になってしまいましたが、これをもって「流し推奨」のご挨拶に変えていただきます。 読んでくれてありがとうございました。
2016.7.20 小林 治郎 (一応創始者ということで!?)
